第61回　現代書道20人展

井　茂　圭　洞　

愛
はしたてのくらはしやまをさがしみといはかきかねてわが手とらすも
梯立ての倉椅（くらはし）山はさがしけどいもと登ればさがしくもあらず
（古事記・速總別王）



葦原
をとめにたたにあはむとわがさけるとめ
葦原のしげしきをやにすがたゝみいや清しきてわが二人ねし
（古事記・大久米命、神武天皇）



豊御酒（とよみき）
八十ほこの神のみことやあが大國主なこそはをにいませば
うちみる島のさきゝゝかきみるいそのさきおちずわかくさの
つまもたせらめあはもよめにしあればなをきてをはなし
なをきてつまはなしあや垣のふはやが下にむしぶすま
にこやがしたにたくぶすまさやぐがしたに沫雪のわかやるむねを
たくづのゝ白きたゝむきそだゝきたゝきまながり真玉手
たまてさしまきもゝながにいをしなせとよみきたてまつらせ
（古事記・須勢理毘賣命）



真身（さみ）無し
やつめさすいつもたけるがはけるたち
つゝらさはまきさみなしにあはれ
（古事記・倭建命）